バッドクリスマス | Numeblog

バッドクリスマス

ヘリ墜落直前に沖合反転、不明者の捜索続行
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20041225STXKG032025122004.html

2004年12月24日、クリスマスイブのムードで盛り上がる中、事件が起きた。

長崎市から佐賀空港に向かう途中、行方不明となった「エス・ジー・シー佐賀航空」の小型ヘリコプターについて、三池海上保安部は25日、消息を絶つ直前、佐賀県有明町付近で沖合方向に急に反転していたことを明らかにした。

ヘリは24日午後9時4分、佐賀県太良町沖の有明海上空から、佐賀空港の管制塔に「海岸沿いを空港に向かう」と連絡。連絡通り海岸沿いに飛行したが、数分後の同県有明町付近で急に進路を変え、間もなく自衛隊のレーダーから消えたという。


ヘリはSGC佐賀航空という長崎・佐賀に本拠を置く航空輸送や遊覧飛行を生業にしている会社のものだが、ロビンソン式R44型という小型のヘリ。良好な安定性、スピード、操縦性を持ち、500万円ほどで買える安価な機体ということで遊覧飛行や航空写真撮影の場ではよく使われているし、自家用としても米国などではよく利用されているという。
日本ではヘリというと救急医療で広く使われている川崎製のBK117が思い浮かぶが
R44は軽快な操縦性から昨今のパイロットに好まれる機体である。世界ヘリコプター選手権でもロビンソン社のヘリは常連だ。

さて、この会社「SGC佐賀航空」では18日から26日まで「長崎クリスマス遊覧飛行」と銘打ってナイトクルージングが催されていたのだが、その最たるイブの夜は多分に大忙しだったことだろう。疲れた体に鞭打って帰途に着こうとする最中に忽然と消息を絶った。クリスマス色をベースに喜怒哀楽が塗られる中で小さな話題だがひどく印象に残った。残念ながらおそらく生存については絶望だろうと思う。
調べてみれば航空事故調査報告書に2件ほどR44関連の事故があった。
http://www.rinku.zaq.ne.jp/sakuma/020731.html
http://www.rinku.zaq.ne.jp/sakuma/020731.html

直接の関連はないと思うが、2件の報告書を見ているとなんとなく状況が浮かんでくる。正規のフライトプランがある中で急に針路を変えるというのは九分九厘機体トラブルがあったのだろう。年の瀬の捜索で手がかりが見つかるといいが。まさかテロということもあるまい。
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saga/archive/news/2004/11/15/20041115ddlk41070198000c.html

ともあれクリスマスの影でその演出にがんばってた人がいる。暗い話題ですけど、知らないより知っているほうが良い。どうせクリスマスなぞ薄っぺらなイベントなのだから。

(乾)